山本博文氏の「忠臣蔵」の決算書

数十人の武力集団による襲撃を隠密裏に計画し実行に移す。善悪を論じることは無意味だと思うが、実行するにはしっかりとしたプロジェクトマネージメントが必要なのは言うまでもない。成し遂げたということには敬意を払いたい。
忠義だ、武士道だと精神論だけで拍手喝采をされてしまっている忠臣蔵だが、キレイゴトだけで物事は実現できるわけがない。
山本博文氏の「忠臣蔵」の決算書は、その困難なプロジェクトマネージメントのうち、予算計画、コスト管理、つまり、「金」の面に注目した本だ。
藩が取り潰され、城を引き渡す際の金の動きからはじまって、最後の討ち入りまでの出費を、信頼できる1次資料から分析していて、興味深く読める。総額700両を2012年現在の物価から換算して8400万と算出している。あまり内容に触れるとネタバレになって申し訳ないのだが、この程度は、新書の帯にも書かれているから、いいだろうw
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「忠臣蔵」と善悪
毎年、年末年始になると忠臣蔵の話題を見聞きする。それにあわせての刊行だろうか、山本博文氏の「忠臣蔵」の決算書は、新潮新書で出されている。2012/11/20の発行だ。 ある程度の年齢の人であれば、忠臣蔵のアラスジくらいは知っているだろう。 忠臣蔵というと、かたき討ちを成し遂げた武士の考え方や精神性に、関心が集められてきた。アッパレとか賞賛する声が多いし、歌舞伎などでも、敵討ちを成し遂げた47士
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歌舞伎やドラマの忠臣蔵
以前、新橋演舞場で、仮名手本忠臣蔵を見る機会があった。昼の部で道行までだったのだが。勿論、金の話は出てこないw TVで時々、忠臣蔵を題材にした時代劇があるが、やっぱり金の話は、あんまりないw いやぁ、これ、現代社会のビジネスのドラマのように、金の動き、プロジェクトマネージメントの角度から描いてみると、けっこう生々しいドラマになるんじゃないだろうか。 モノゴトを行う際に、理念、理想があることは
キレイゴトと金
最後に誤解のないように追記しておきたい。 キレイゴト、理念、理想だけでは、多くの場合、モノゴトは成し遂げられないと思っているが、これは、キレイゴトを否定しているわけじゃない。むしろ俺は、キレイゴトが一番大事だと思っている。キレイゴト、理念、理想、大義の類が何もないと、一時はうまくいくかもしれないが長くは続かないだろう。 両方が必要なのだが、なかなかこの両面を両立させるのは、困難だ。理想のために